全国の小・中・高校生のためのビッグバンド・ジャズ音楽鑑賞会

2002年12月 立川女子高等学校音楽鑑賞会(立川市民ホール)

宮間利之ニューハードは、昭和58年から今日まで多くの小・中・高校の音楽鑑賞会に出演をしております。今後においても、音楽教育はもとより、児童・生徒の情操教育にも寄与してまいりたいと考えています。音楽鑑賞会つきましてご興味をお持ちの方はお気軽にお問合わせください。

音楽鑑賞会の主旨

アメリカではキャンパス・ジャズコンサートがとても盛んですが、日本ではまだジャズへの理解が低く、クラシックに比べるとその回数は微々たるものです。ところが最近の生徒たちのオーディオ&ビジュアル感覚の発達ぶりは驚くばかりで、テレビ、ラジオ等から流れる新しいポップスをすぐに覚え、歌ったり演奏したりします。

ポップスの元になっているのがジャズで、高度な音楽性、明るい娯楽性を合せ持ち、現代の若者の感覚に最もマッチした音楽といえましょう。ロマンチックな音色のサックス・セクションと、力強いブラス・セクションが織りなすハーモニーと、躍動感あふれるリズム・セクションが一体となったビッグバンド・ジャズサウンドは、育ち盛りの生徒たちの豊かな感受性を刺激し、安らぎと力強く生きる意欲をかき立てるに違いありません。

正統的なジャズを、正しい環境で、正しい解説と共に鑑賞させることによって、従来のクラッシク鑑賞とは異なる、新しい情操教育が発見できるものと確信いたします。

このようなジャズ音楽によって生徒たちの人間性が豊かに開花してくれるならば、音楽を職業とし、提供する私たちが学校でのビッグバンド・ジャズ音楽鑑賞会を推進する最大の理由がここにあるのです。

プログラムの内容

生徒の興味をかき立て、ジャズを音楽的に正しく理解してもらうために、小・中・高校によってそのプログラムは異なります。共通している点は以下の通りです。

  • ジャズの変遷が曲で理解できる
  • その時代時代の代表的なジャズ曲を演奏する
  • リズムの変化を演奏し、生徒にも参加させ実際にそのリズムが理解できる
  • 各楽器を説明し、音色、機能、合奏した場合の効果などが理解できる
  • クラッシク曲をジャズ編曲で聞かせ、その変化が理解できる
  • 南米系の音楽を重点的に演奏し、カラフルな民族音楽が鑑賞できる
  • 校歌、市町村歌などをビッグバンドで演奏する (新しく編曲依頼があれば実費で提供)
  • <振り袖は泣く>など日本楽曲のジャズ編曲を演奏する
  • カウント・ベイシーのナンバーやチック・コリアの<ラ・フィエスタ>など、高度なジャズを演奏しその真髄が理解できる
プログラム例〜演奏曲目進行表(1時間30分のメニュー例)〜

M ニューハードのテーマでスタート
MC ジャズを楽しく聴くには・・・クラシックとジャズはどう違うのか!
M1 A列車で行こう 最も有名なスタンダードジャズ M2 聖者の行進 (草創期のジャズ)
M3 ムーンライト・セレナーデ(スイング・ジャズ)
M4 リトル・ブラウン・ジャグ(スイング・ジャズ)
M5 フォー・ブラザーズ(ビーパップ)
MC 楽器紹介・・・各楽器の音色、名称、ビッグバンドの編成の解説
M6 アランフェス協奏曲(クラシックをモダン・ジャズに) MC 中南米音楽からリズムの変遷(クロスオーバー)への発展過程
M7 マンボNo.5 (マンボ)生徒が打楽器で競演
M8 ブラジル (サンバ)生徒が打楽器で競演
M9 黒いオルフェ (ボサノバ)
M10 TVアニメのヒット曲「ルパンIII世のテーマ」、校歌、ロックなど
M11 振り袖は泣く 琴の音階(日本のジャズ曲)
M ニューハードのテーマで終了

推薦文

NHK-FM”ジャズクラブ”担当
スイングジャーナル元編集長 児山紀芳さん

豊かな経験、わが国ビッグバンド界の名門

ジャズ発祥の地アメリカでは大学はいうに及ばず中学校や高校でも学生バンドによる演奏活動がきわめて盛んで、それが指導する側のレベル・アップをいやがおうにも推進する結果になっている。米国内のキャンパスでは、これとは別に夏期休暇などを利用して有名バンドを招いてのクリニックやコンサートも盛んで、これが若い学生たちの音楽への関心、興味をつのらせ、感性を磨く一助となっていることもよく知られている。

ジャズの名門バンドとして世界にその名を知られているスタン・ケントン楽団やウディ・ハーマン楽団やメイナード・ファーガソン楽団(映画「ロッキー」のテーマ音楽で有名)などは、こうしたキャンパスでのクリニックやコンサートで学生たちの間で人気をつちかってきたわけだ。

日本では、早くからビッグ・バンド界の雄として名声を高め、今年でバンド結成50数周年になる宮間利之とニューハードが、アメリカのケントン楽団やハーマン楽団と同様のキャンパス・コンサート、クリニックでここ十数年来大成功を収めているのは”指導する側”のレベル・アップがまさに望まれているからだと思う。

ちなみに宮間利之とニューハードはレコードを通じて日本国内での多くの賞に輝いているほか、1974年は米西海岸のモンタレー・ジャズ祭、1975年には由緒あるニューポート・ジャズ祭、1984年にはフランスのニース国際ジャズ祭、その後も海外の著名なジャズ祭に出演して絶賛を浴びるなど、過去何回も国際舞台で活躍してきた我国ビッグ・バンド界の名門、その豊かな経験と多彩なレバートリーのなかから考案されたキャンパス・コンサート・プログラムは、ジャズを知らない生徒たちにまで音楽を聴く感動を体験させるにちがいない。

映画・音楽評論家
野口久光さん

無形の情操教育としての成果に期待

クラシックと同じく音楽として鑑賞にたえるジャズを目指して長年コンサート活動とレコーディングに輝かしい実績をつくってこられた宮間利之さんの率いる「ニューハード」が今回、高校生、中学生から小学生までを対象にした学園でのジャズ鑑賞会をシリーズ活動として行われているときいて、大変うれしく思います。

かつて低俗な音楽とみられていたジャズは、こんにち世界の国々で平和、自由、そして人間愛を願うヒューマンな現代音楽としてひろく鑑賞されており、ジャズのよき伝統、精神を踏まえたニューハード・オーケストラのナマ演奏が、感受性ゆたかな若い人たちに音楽のよろこびを身近に体験させ、無形の情操教育としての成果を実らせることができるものと信じております。